続・著作権延長ですって。(その3・完)

なんか,かなり面倒くさくなってきたなぁ! 一応,“完”ってコトで!!

Q、著作権の切れた名作をネット上で公開している「青空文庫」などのボランティア活動が難しくなるのではないですか。

「保護期間内の作品をネット上に公開することも可能ではないでしょうか」って,現状,そうなっていないのは,なぜでしょうかねぇ?

“お金”とか,そんな問題だけじゃなくってね,“駆け出しの頃の稚拙な作品だから,できることなら,なかったことにしたい”とか,“戦争(なんか)のとき,自分の意思に反する内容を書いたものだから,できることなら,なかったことにしたい”というようなコトもあるわけで ...。そんなモノまでネット上に載せる必要はないと言えばないんだろうけど,それはそれで貴重な資料(史料)であったりもするし ...。

「わたしたち著作者としても、ネット公開に積極的に関わっていきたいと考えています」って,今,どんな関わりをしてらっしゃるのでしょう? 今,特に何もされていないから,青空文庫なんかの関係者から保護期間延長の理解が得られてないんじゃないですか??

Q、インターネット産業の関係者から、著作権がコンテンツの流通を阻害しているという声があがっていますが、これに対してはどのように考えればいいでしょうか。

「すべての著作物の利用が円滑に運ぶように努める」って,その一環として「データベースの整備」ですか? じゃぁ,わたしなんかもコレまで一応は著作物の要件を満たすモノを作ってきたし,コレからも作ることになるだろうけど,16団体のうちの,どの団体がデータベースに情報を載せてくださるんでしょう? まぁ,その前に,わたしが作ってきた,そしてコレから作る著作物を使いたいなんていうモノ好きがいるかって問題はあるワケだけど ...。

今どきは,多分,そんなデータベースに情報を載せてくれるな! って人が沢山おられると思うけど,その点は,どのように解決されるのでしょう? わたしだって,情報を載せてくれる団体があったとしても,載せることを拒否するかもしれないし ...。

最初から実現性のない話をしない方がいいと思いますけどね!

Q、共同声明に加わった16団体の中には、レコード会社や実演家など、著作隣接権の団体も加わっています。著作隣接権の保護期間延長も要望するのですか。

著作権の保護期間のように、「国際的なレベルに合わせてほしい」といった要望はできません」って,長い方が世の中のためなんだとすれば,「国際的」なんて言わずに延長を要望されればよろしいでしょうに?!

必ずしも正しいとは言えない「国際的」なんて論理を持ち出すから,主張にムリが出るし賛同しにくいんです。むしろ「お金が欲しい」という主張を前面に出された方が,よっぽど賛同できる気がするんですが?!

あっ! “インセンティブ論”でいうなら,“50年”のママだと“70年”の1.4倍の著作権料が必要で,1.4倍の著作権料の支払に値する著作物を創るか,1.4倍の量の著作物を創らなくてはならないから,より質の高い,もしくは豊富な著作物が創作されると理屈も立たなくはないような ...??

Q、日本と戦勝国との間には「戦時加算」というものが設定されています。日本の保護期間が延長された場合、この戦時加算はどうなるのですか。

まず,戦時加算の対象となる国のすべてが“70年”ではなく,半数ちかくは“50年”のハズだから,「20年も短い状態で、「戦時加算」の撤廃を求めることはフェアではありません」というのは当たらないでしょう!

それから「個々の戦勝国と個別に交渉すべき」だそうですが,戦時加算はサンフランシスコ講和条約の中の条項なので,個々の締結国と個別の交渉が有効なのか知りませんけど,わたしが相手国の意思決定ができる立場で,内心,保護期間の延長と戦時加算の撤廃とを交換条件にするのは仕方がないと考えていたとしても,先に保護期間の延長をしてから交渉に来られたら,「戦時加算の撤廃なんか知らん」って言いますけどね!

つまり,保護期間の延長をしてから戦時加算の撤廃を求める交渉方法なんて,下の下だと言えるでしょうね!!

Q、記者会見を開き、省庁に要望書を提出したあと、どのような展開が予想されますか。保護期間の延長が認められる可能性はあるのでしょうか。

いや,だから「諸外国がすでに70年になっている現状」という認識が,必ずしも正しくないんですってば! まぁ,必ずしも「ご理解」が得られてなかったレコードの輸入権や書籍の貸与権に関しても,ろくな議論がないまま改正されたので,ぜひとも「充分に話し合いを続け」てください。

なんだか,このQ&Aを見ることで,延長反対の方向へと心が動くというのは,なんとも皮肉と言うか何と言うか ...。