行ってきた!

著作権保護期間の延長問題を考える国民会議」第1回公開シンポジウム。

一応,今も自分の立場は中立のつもり。ただ,延長に賛成な方のご意見は,総じて感情論というか情緒論というか,「気持ちとしては解らないでもないけど,それでは延長に賛成できません」というモノが多かったように思う。

延長に反対な方々のご意見は,おおむね納得できるものなんだけど“感情”に配慮した部分が感じられにくいところに,多少の“引っかかり”が感じられた。

約3時間の会の中で,特に1点だけ記録!

パネルディスカッションの後半で,司会の方が「同じ“モノ”を作る蕎麦屋を保護する法律などはないのに,どうして著作物についてのみ法律で保護する必要があるのか?」みたいなことを問題提起され,それに対して,某マンガ家さんが猛反発されいた。(会の終りごろ,会場からの発言で某写真家さんは,もっと反発されていたが!)

ところで,延長に賛成な皆さん。あのマンガ家さんは,あまり“表”に出さない方がイイと思いますよ! 却って延長に反対な皆さんの反感を買うばかりのような気がしますよ!

それはさておき,曰く「われわれの作品を蕎麦なんかと同じにしてもらっては困る。われわれは命を削る思いで作品を創っている」みたいなことをおっしゃってたが,それは“思い上がり”じゃないですか? 蕎麦屋さんだって,それこそ“命がけ”と言えるほどの気持ちを込めてらっしゃる店は少なくないと思うモン!

まぁ,音楽の演奏との対比なら,それほど違和感がなかったのかもしれないけど,食せば残らないモノと読んでも残るモノとの違いがあるので,例として蕎麦屋を出したことは適当ではなかったかな? でも,“職業に貴賎はない”という倫理観に立てば,蕎麦でもラーメンでも敬意を持つべきだと思うし,さらに言えば,前にも似たようなコト書いたけど,漆器とか和服なんかでも「そんなモンと一緒にしてもらっては困る」と言いますか?(漆器も和服もモノによっては著作権法による保護の対象になる可能性があるけど!)

それよりも,著作権法では保護するか保護しないかの基準としては,残念ながら,創作に命を削ったかどうかを問題にしていないんですよね! だから,「命を削る思いで創作したから保護期間を延長しろ!」という主張に関しては「気持ちは判りますが,的ハズレです」としか言えません。

これも似たようなことを前に書いているけど,ヤッパリ「作品に対する敬意」とか「作品を後世に残したい思い」とかいうコトと「保護期間の延長」とは別次元の問題だと思うなぁ!